[49.]敵基地攻撃能力の議論はすべきではない

日本国が他国から武力攻撃を受けたなら、米軍はそれに応戦し、自衛隊はそれに帯同する。日米安全保障条約である。

他国が日本国に対し武力攻撃の準備を整えスタンバイ状態に至った。この事が捕捉され、相手国の武力攻撃を為させたなら、日本の被害は相当なものとなり、応戦に於ける米軍と自衛隊の被害もまた相当な犠牲が強いられ、制圧も困難をきたす事が予測される、となったら、どうするか。


これに対し米軍は日本国を武力をもって守る為に、相手国の基地を攻撃する先制攻撃は日米安全保障条約上できない[*a]。日本国に於いても現行法規ではできない。

この場合、米軍の先制攻撃が為されるとしたら、それは日本国の防衛に非ず、あくまでも米国を守る為、とする武力行使である[*b]。


他国が日本国に対し武力攻撃の準備を整えスタンバイ状態に至った。これに対する最善は攻撃を受ける前に相手国の武力攻撃スタンバイ基地を先制して攻撃する、ということになる。

米軍は為せず[*a]、為さない[*b]。

即ち、米軍に於ける最善は、日本の自衛隊にその敵基地攻撃の使命を日米安全保障条約の下に持たせる、ということである。


これを可能とするとどうなるか。

  1. 武力攻撃スタンバイの捕捉には敵基地攻撃国側の主観が入り込む余地が多分にある
  2. 故に、敵基地攻撃には国際条約上の規律が先ず必要である
  3. この国際条約の厳しい規律が無ければ、先制攻撃の大義名分を各国が勝手に得、戦争のし易い地球環境と為させてしまう


日本国は、この事で世界に先駆け勝手に先例となるような自国の法規を整備し、世界を混乱の中に陥れていくような愚国にならないように。


アメリカも日本も、80年前の日米開戦の火蓋を切った日本軍の先制奇襲攻撃である真珠湾攻撃の正当性を得させ、得るような議論は引き取るべきである。

日本に於いての議論は、如何に厳格な規律の国際条約を編むその主導を果たす国となるか、である。

11. Jan. 2022_

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