[10.]猿山の猿とサル山の人

 人が猿を猿山に閉じ込めその猿を飼育管理する。そうすると猿はどうなりどうするか。

 猿は大自然の環境から狭小な特殊な環境に入れられその初期は環境の激変に支障を来たすことがあろうが、激しく抵抗しそれを不断無く継続させることもなく、その環境に甘んじやがてその環境に適応し順応を果たし1猿社会を形成していくものになろう。

 では、人の場合はどうなるか。人はそうはならない。置かれた境遇に激しく抵抗し人の全能力をもってその環境を破壊し、得るべきことを得る闘争を終生止めない。

 つまり、猿は森林環境に順応し生存を維持していくが、人はその森林環境を切り拓き人への環境の最適化を図り生存を維持していく、この違いである。

 この猿と人との違いは何か。

 人は環境に順応していく生物としての特性を持つと共に、人は環境を自分に適したものに変えていく能力も持つ。これが人に備わっている能力であり、それは自然を服し自然を治めようとする能力である。他の生物に無く猿に無し。

 この人に備わっている能力は、人が身を置く全ての環境に対しその能力を傾けるものである。社会環境も全く例外では無い。人権が侵犯されている赦されざる環境に対しても然りである。人の歴史の中でどれだけの人々が人権侵犯に対し激し闘い各々の人権を護ってきたか。人権意識も人に備わっているこの能力によるものであろう。

 人はこの時、激し黙ってない。サルでは無い。

_以上_

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